動作環境・入手方法など
御書システムとは
◆御書システムのめざすもの
◆御書システムの概要
1、御書システムとは
2、御書システムの構成とデータ
A、御書システムの構成概観
B、フォーム画面と表画面
▼フォーム画面
▼表画面
C、御書本文データ(5種)、検索対象の10遺文集、使用している略符合一覧
▼5種の御書本文
▼検索対象の10遺文集
▼使用している略符合一覧
3、各フォーム画面の紹介
御書システムのめざすもの
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 御書システムとは、パソコンで活用することを目的に日蓮聖人の御書(日蓮遺文の伝統的な呼称)を多方面よりデータベース化し、その利便性を最大限に考慮してシステム化したIT時代のデジタル版御書のことで、平成14年4月28日、日蓮聖人の立教開宗750年を記念して公開しました。

 聖人の御書を研究するためには、1に原本資料、2にそれを翻刻したテキスト資料、3に論文や辞書、年表等の関連資料が欠かせません。原本資料とは聖人の真蹟御書および門弟の写本御書などであり、テキスト資料とは刊行されてきた諸々の活字版の遺文集です。これに現在まで蓄積された御書に関するデータや論文などを広く資料として用い、はじめて御書の総合的研究が進められると考えます。しかしながら、これらの3分野にわたる諸資料を個人が収集、整理し、研究することは自ずと限界があるといわざるをえません。仮りに収集しえたとしても、それらをすべて縦横に駆使して学術的な成果を産みだすことはまた至難の業といえるでしょう。御書の研究に限らず、ひろく人文学を志すものにとって、とりわけ文献資料との闘いはその作業のおよそ8割近くを占めるともいわれています。

 それらの研究者の困難を少しでも軽減し、さらには新たな角度からの考察を呼び起こす手立てとして、私たちは御書システムを作成してきました。

 木版の時代から活字版に至るまで、長い歴史と実績を持つ書籍としての御書が、その物理的・形態的な制約から実現できなかった活用法を、御書システムは全御書をデジタルデータベース化することによって初めて可能にしました。すなわちデジタル化によって、1つには容易に多重多層化が図られ、2つには瞬時に検索が可能となり、そしてこの2つの組み合わせにより利便性は飛躍的に向上することとなったのです。

 まずはじめに当システムを利用すれば、誰もが容易にクリック一つで真蹟画像を閲覧することができます(ただし、現段階では、真蹟画像はいずれからも提供されておらず、表示させることはできません)。さらには真蹟画像と真蹟直読欄・上代写本欄・システム版御書欄をそれぞれ直接的に対応させることにより、御書本文の変遷や伝承、さまざまな用語の差異を検討することが可能になりました。詳しくは後述することとなりますが、各欄において御書の用語を自由に絞り込み・検索できることは、言語学的な統計を取ったり用語の頻度や変遷を調査する上で非常に大きな力を発揮します。

 また関連データとしてシステムに併置されている御書資料(各御書の解題・系年・対告やその他の問題点。真蹟・写本の有無や所蔵)、辞書、年表、法華経、西暦換算などの機能やデータは、御書を多面的に拝読・研鑚していく上で、必ずや利用者の良きパートナーになることと思います。これらはシステムの機能・内容の一例であり、その活用法はさらに多岐にわたっています。

 当システムが日蓮聖人の思想と歴史を客観的に浮かび上がらせる一助になればと考える次第です。
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御書システムの概要
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1、御書システムとは
2、御書システムの構成とデータ
3、各画面の紹介
1、御書システムとは
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 「御書システム」はデジタル版御書と言えますが、その概要を言いますと、日蓮聖人の遺文である御書本文を中心に、関連する豊富なデータ群を合わせ持ち、それらを強力かつ多用な機能で有機的立体的に関連づけ、システム化したものと言うことができると思います。さらにその特徴に一言加えれば、データのほとんどがオリジナルでかつ精密であることと、機能的に使い易いということであります。
 (※御書システムは、日本語データベース 桐9-2012(Windows8.1/8/7/Vista/XP/95/98/ME/NT/2000 対応)で作成されています。)
     「桐」ってこんなソフト?⇒

 まず中心である御書本文のデータですが、
  1. 真蹟の現存する御書はすべてその真蹟写真から直に解読した「真蹟直読」。
  2. 検索の便のため@の異体字や変体仮名を常用字体に改めた「真蹟活用」。
  3. 上代門下の写本の現存するものはそれを直ちに解読した「門下写本」。
  4. 全御書の原型をとどめ、なおかつ検索等の便を考慮した「原型活用」。
  5. そして当システム、オリジナルの読み下し御書である「システム版御書」。
以上の5種類の御書本文から成り立っています。これでお分かりの通り、これら御書本文データは単に既存の出版御書をデジタル化したものではありません。さらにこれらデータに「定本遺文」から「真蹟集成」に至るまで、代表的10種類の遺文集の相互の位置情報(巻・頁・行)を持っていることです。

 次で、その関連データとして主なものは、
  1. 各御書の「書名」「系年」「対告」「解題」、更に左の各「備考」欄などを中心に、御書文献に関する豊富な関連データを満載した御書資料。
  2. 法華経二十八品・無量義経・普賢経の「真読」「訓読」の法華三部経。
  3. 日蓮聖人の事跡を中心に鎌倉時代を範囲とする詳細な年表。
  4. 御書に用いられた仏教語や難解な一般用語約2万語を解説した辞書。
  5. 現存・曾存を含めて記録に残されている聖人書顕の全曼荼羅本尊資料。
などです。どれも最新の研究成果を取り入れたデータです。

 次に機能の代表的なものをあげますと、
  1. 広範にわたって使い易くなおかつ強力な検索・絞り込み機能。
  2. 各データ間を随意かつ便利に進退し立体的に活用できる構成機能。
  3. 10種類の遺文集間の相互の位置(巻・頁・行)を検索する機能。
  4. 各データをテキストデータファイルとして書き出す機能。
  5. 使い易く応用範囲の広い辞書引き機能。
  6. 入力文やデータ文中の旧暦年月日を西暦年月日に直ちに換算する機能。
  7. 御書本文の用語を国語学的研究に資するための用語調査機能。
  8. システム使用上の不明箇所を直ちに解決する説明機能。

などがあります。この他にも付随した便利な機能が多数用意されています。

 これらの充実したデータ群と多用な機能の有機的な組み合わせからなる当御書システムは、日蓮聖人御書の強力な研究ツールとして、日蓮門下ユーザーのみならず一般研究者の期待に必ず応えられるものと確信します。ぜひ当システムを活用していただき、その使用法やデータ等に関してご意見を賜りたく存じます。それらのご教示を参考にしつつ、今後さらにデータ、機能ともに充実を期してゆく計画です。

 各機能別の使い方は「主な機能別の使い方」の項をご覧ください。

 
2、御書システムの構成とデータ
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A、御書システムの構成概観
B、フォーム画面と表画面
C、御書本文データ(5種)と関連データ

A、御書システムの構成概観
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 御書システムでは、御書に関することなら、読んで調べて書き出して、また調べて読んで確認してと、関連する作業を次から次へと続けて、すべてをまとめてこのシステム上で総合的に使うことができます。
 それは、下図のように、御書システムを構成する各フォーム画面が、互いにリンクされているからです。
御書システム構成図
 御書システムには、「○○フォーム画面」と名付けられた各作業をする画面が、「メインメニュー」も含めて13あります。この図では、略して8角形にしてまとめていますが、システム構成の大体をイメージしてください。
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B、フォーム画面と表画面
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 御書システムは、基本的にフォーム(帳票)画面と表画面の組み合わせで構成されています。

 ▼フォーム画面
 ▼表画面


▼御書本文・フォーム画面
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 御書本文画面は、他画面でも紹介していますが、5種の御書本文の対照、用語の検索・絞り込み、10種の遺文集の位置確認、また真蹟画像との関連などでシステム上もっとも使いでのある画面といえます。ここでは画面上部のコマンドボタンの機能や本文切り替えボタンなどをチェックしていただきたいと思います。
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▼表形式編集画面
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 当システムの骨格は、5種の御書本文のテキストデータと1つの真蹟写真の画像データにより構成されています。加えて解題等の御書資料、法華経、年表、辞書の各テキストデータによってシステム化されています。まず5種の御書本文とは、御書本文表画面の上部に示されているように、「システム版御書」「真蹟直読」「真蹟活用」「門下写本」「原型活用」「参考読方」に分類されます。早速、各々について概要を述べてみましょう。
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C、御書本文データ(5種)、検索対象の10遺文集、使用している略符合一覧
▼5種の御書本文
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 御書システムでは、それぞれ形式の違う「システム版御書」「真蹟直読」「真蹟活用」「門下写本」「原型活用」の5種類の御書本文を用意しています。目的に応じてご活用ください。
システム版御書
 本欄は、この御書システムが読み易さの便宜の上から、独自に作成した読み下しの御書です。編集に際しては真蹟や諸写本を底本にし、さらに現行各種の遺文集を参考にして、従来の誤植や誤謬の改善等、最新の成果を取り入れるように努めました。と同時に、デジタル御書の特性を生かして、検索や絞り込み・並べ替え等の機能を十分に活用させるため表記の統一を心がけています。そのため、用言の送りがなの付し方や音便形の処理など一定のルールのもとに編集しましたので、既刊の遺文集と表記の異なるところも多くあります。学術的な研究を目指すユーザーには真蹟直読欄・真蹟活用欄・門下写本欄・原型活用欄との対照、併用を念頭に置いています。
システム版御書欄
真蹟直読
 現存する日蓮聖人の真蹟を、主に法蔵館刊『日蓮聖人真蹟集成』により解読し、それを出来るだけ形を変えないで活字化したものです。異体字や変体仮名は外字を用意して本文中に表記し、表記不能な文字や文章の訂正、または他筆の挿入などは備考欄にその旨を摘記しました。その際、主に立正安国会刊『日蓮大聖人真蹟対照録』等を参照しましたが、今回あらたに解読し直した箇所も少なからず存在します。
 なお真蹟の現存が確認されていても当制作グループとして真蹟(写真)実見なきものは解読しておりません。その場合でも他読によるものを[真蹟活用]のデータとしては用いています。
真蹟直読欄
真蹟活用
 本欄は、検索や絞り込みの作業がしやすいように、上の真蹟直読欄を手直ししたもの。真蹟直読欄は活字の上で真蹟を忠実に再現するため、同一漢字に数種の字体を用いたり各種の異体字や変体仮名を外字として用いましたが、用語の検索や絞り込みには不向きなため、本欄では常用字体に改め、改行記号などを取り除いています。真蹟の用語調査をする際には欠かすことのできない欄です。([真蹟直読]と切り替えて表示します
真蹟活用欄
門下写本
 本欄には、おもに上代門下の写本御書を収録しました。その対象は日興、日目、日道、日澄、日順、信伝、日進、日高、日祐、日大等の諸師の写本です。また、上代に写本がなくとも日乾真蹟対照写本や本満寺本が存する場合、併せて収録し、それぞれの写本名を備考欄に注記しました。編集にあたっては、写本の文字配列や字体など異体字や変体仮名は外字を用意して、忠実に表記することに努めました。誤写と思われる箇所についてもそのまま表記して、備考欄にその旨を注記しました。その他、技術的に表記の難しいところは備考欄に多くの注記を用いて、写本の状態が窺えるように工夫しました。真蹟の伝わらない御書に関しては、本欄によって最も原初的な御書の状態を知ることができるでしょう。本欄は日蓮聖人滅後の御書の伝承や編纂について考察する際に力を発揮します。
門下写本欄
原型活用
 本欄は、真蹟の現存するものは真蹟の原型を保持し、ないものは既刊の活字御書を参考にして漢文の送り仮名や和文の濁点を除去して、御書の原型に近い形を再現しつつ、それをテキストとして利用したり、検索作業等がしやすいように成形したものです。
 具体的には、聖人の真蹟が現存するものはそれに基づき、不現存分は身延久遠寺刊『昭和定本日蓮聖人遺文』や富士大石寺刊『昭和新定日蓮大聖人御書』により、漢文の送りがなや和文の濁点などを除去して、原型の再現に努めました。また、検索等の便を考慮して、すべての字体を常用字体に改めたものです。([門下写本]と切り替えて表示します)
原型活用欄
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検索対象の10遺文集
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 御書システムでは、以下に掲げた10の遺文集を検索対象としています。
 なお、これ以外の遺文集をお使いのユーザーのために、データを追加する機能もあります。

  1. 定本遺文 昭和定本 日蓮聖人遺文 身延久遠寺発行
  2. 新定御書 昭和新定 日蓮大聖人御書 大石寺富士学林発行
  3. 縮刷遺文 本化聖教 日蓮聖人御遺文 霊艮閣蔵版日宗社発行
  4. 御書全集 新編 日蓮大聖人御書全集 創価学会発行
  5. 刊本録内 法華宗門書堂 寛文九己酉年版 大石寺内事部複製
  6. 刊本録外 法華宗門書堂 寛文九己酉年版 大石寺内事部複製
  7. 新編御書 平成新編 日蓮大聖人御書 大石寺発行
  8. 平成新修 平成新修 日蓮聖人遺文集 日蓮宗連紹寺不軽庵発行
  9. 対照録 上中下巻 日蓮大聖人御真蹟対照録 立正安国会発行                              〃 大石寺 大石寺蔵 日蓮大聖人御真筆聚解読文 大石寺発行
  10. 真蹟集成 日蓮聖人真蹟集成 法蔵館発行
 上記中の1遺文集の位置(巻と頁と行)を指示すれば、他の9遺文集の巻と頁と行が表示されます。
 
※注意点
 ただし新定御書・縮刷遺文・刊本録内・刊本録外・平成新修の5遺文集は近似値です。よって逆にこれらの遺文集から位置を指示した場合は、他の遺文集の該当位置が若干ずれることがあります。特に吊り書き形式のものは遺文集間の編集の相違により正確に表示されない場合があります。
                             
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▼使用している略符合一覧
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 御書システムでは、おもに御書本文フォーム画面において、[システム備考] ・[真蹟備考] ・[写本備考]: [システム版御書] ・[真蹟直読] ・[門下写本]の解読・校訂作業中の留意事項を注記した分について、写本類・ 刊行書籍等を略符号で表記しています。
 使用している略符合は、下記の一覧の通りです。

使用している略符合一覧
真蹟 日興写本 日目写本 日道写本 日舜写本
日澄写本 日順写本 信伝写本 日源写本 日代写本
日睿写本 日大写本 日進写本 録内啓蒙 録内御書
録外御書 =京都府妙覚寺蔵某筆真蹟影写本
霊艮閣版日蓮聖人御遺文 =日蓮大聖人御書全集
昭和定本日蓮聖人遺文 =昭和新定日蓮大聖人御書
日蓮大聖人御真蹟対照録 =平成新修日蓮聖人遺文集
平成新編日蓮大聖人御書 =大正新脩大藏經
 
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